
「不正咬合(ふせいこうごう)」とは、上下の歯が正しく噛み合っていない状態を指します。理想的な噛み合わせでは、上の歯が下の歯に適度に覆いかぶさり、前歯と奥歯がバランスよく機能しています。しかし、不正咬合の場合、このバランスが崩れ、見た目や健康にさまざまな影響を及ぼすことがあります。
目次
不正咬合が及ぼす影響

不正咬合の問題は、単なる歯並びが悪いという見た目だけの問題ではなく、食べ物をうまく噛めない、うまく発音できずに言葉が崩れる、口をうまく閉じることができないといった症状が出たり、歯が重なり合うことで虫歯や歯周病のリスクも増加します。さらに顎の関節に負担がかかることで疲れやすくなったり、頭痛や肩凝りを感じるなどの健康面への影響も及ぼします。そのため不正咬合は、放置せず出来るだけ早めに治療することが望ましいです。
不正咬合の原因は遺伝と生活習慣にある

不正咬合の原因は、「遺伝などの先天的な原因」と「生活習慣などの後天的な原因」の2つに分けられます。
1. 遺伝的要因(先天的要因)
- 顎が小さい
- 顎と歯の大きさのバランスが悪い
- 歯の本数が少ない・・・など
両親の骨格や顎の形が似るように、不正咬合も遺伝の影響を受けやすいです。例えば、出っ歯や受け口は家族に同じ特徴があることが多く、顎の大きさや歯の生え方も遺伝することがあります。
2. 生活習慣(後天的要因)
- 指しゃぶり(3歳以降も続くと、出っ歯や開咬の原因になる)
- 舌の癖(舌で歯を押す癖があると、すきっ歯や開咬になりやすい)
- 口呼吸(口を開けて呼吸する習慣があると、上顎の成長に影響を与える)
- 頬杖をつく(顎の成長に影響し、左右非対称な噛み合わせになることがある)・・・など
特に子供の骨格は柔らかく、少しの悪癖でも歪みが生じやすいため、注意が必要です。上記のような生活習慣がある場合は早めに直すように意識しましょう。
不正咬合の主な種類

日本人に多い不正咬合の種類として一番多いものに叢生(そうせい)があげられ、次いで上顎前突(じょうがくぜんとつ)・ 空隙歯列(くうぜきしれつ)などが多いです。現代人はやわらかい食事が増え、よく噛まなくなったことで、顎が十分に発達しないため、これが叢生の発生を助長していると考えられます。
叢生(そうせい)

歯が重なり合ってデコボコやガタガタになっている歯並びを指します。「乱ぐい歯」とも呼ばれ、日本人に最も多い不正咬合です。八重歯なども叢生の一つで、あごと歯の大きさのアンバランスなど歯が綺麗に並ぶためのスペースが足りないと、歯がねじれたり斜めに生えたりする要因となります。
上顎前突(出っ歯)

上顎前突(じょうがくぜんとつ)は「出っ歯」とも呼ばれ、叢生(そうせい)の次に数の多い不正咬合です。上顎が前に出ている場合だけでなく、下顎の成長不足や上の歯が前方に傾斜している場合が多いといわれています。3歳をこえても指しゃぶりが治らなかった場合や、爪を噛む癖のある場合、口呼吸をしていることなどが原因となることもあります。
空隙歯列(すきっ歯)

空隙歯列(くうげきしれつ)は歯と歯の間に隙間が空いている歯並びのことで、「すきっ歯」とも呼ばれます。上の前歯の間に隙間がある場合の呼び方は、「正中離開(せいちゅうりかい)」です。遺伝的に歯が小さかったり、「舌先を前歯の裏に押しあてる」「下唇を噛む」など舌や唇の癖がある方は、すきっ歯になる可能性が高くなるため注意が必要です。
開咬(オープンバイト)

歯を噛み合わせたときに前歯が合わず、上下の歯に隙間ができる不正咬合です。「オープンバイト」とも呼ばれます。奥歯をしっかり噛んでいるにもかかわらず前歯がかみ合わず、垂直的な隙間ができている状態をいいます。指しゃぶりや舌を突き出す癖が原因となる場合があります。前歯で物を噛み切るのが難しく、息が抜けてしまうためサ行やタ行の発音も難しいといった症状があります。
過蓋咬合(かがいこうごう)

上の前歯が下の前歯を覆いすぎる状態の噛み合わせで、「ディープバイト」とも呼ばれます。正しい噛みあわせでは、上下の前歯は1~3mm程度重なっていて、物を噛み切ったりと役割りを果たしています。深すぎる噛みあわせだと、上の歯の後ろの歯ぐきに、下の歯の先端があたるような状態になり、前歯でものを噛み切ることができず、食べるのが遅くなったり、顎の正常な発育を阻害するなどの影響がでてきます。
反対咬合(受け口)

下顎の歯が上顎の歯よりも前に出ている状態の歯並びです。下あごが前に出ている状態の「受け口」は、不正咬合の中でも特にコンプレックスになってしまっている方の多い歯並びの問題です。色々な歯並びの問題の中で治療や管理が最も難しいといわれています。骨格が問題となる場合は、顎の骨の位置やバランスを整える外科的手術が必要になることもあります。
『インビザライン』は歯の矯正治療の一種

歯並びを改善する矯正治療の一種である「インビザライン」は、治療可能な歯並びの範囲が広く、また治療計画シュミレーションの再現性が高い世界シェアNo.1を誇るマウスピース矯正です。上記で紹介した不正咬合にも幅広く対応しており、特に軽度から中程度の不正咬合の改善に効果が高いとされています。
マウスピース型の矯正治療『インビザライン』

インビザラインの大きな特徴として透明なマウスピースを使用するため、見た目を気にせずに治療を受けることができます。他にも「ご自身で取り外しが可能」「痛みが少ない」「金属フリー」というメリットがある矯正治療法です。ワイヤーを使わず、取り外し可能なマウスピースを装着することで、歯を少しずつ動かして歯並びを改善していきます。
▷▶︎▷インビザライン(マウスピース)矯正について詳しくはこちら
【インビザラインがオススメの方】
- なるべく他人に気づかれずに歯列を矯正したい方
- 歯並びの不正が比較的軽度から中程度の方
- 金属アレルギーに不安がある方
- 取り外しができない治療に不安がある方
- 一定の装着時間を守るセルフコントロールができる方
インビザラインが難しい歯並びもある

幅広い歯並びに対応しているインビザラインですが、歯の移動量が多い重度の歯並びや、骨格に問題がある歯並びには対応できない場合があります。矯正治療には、歯とあごの大きさのアンバランス度、歯並びの乱れの度合い、矯正による顔かたちの変化などが関わってくるため、1人ひとり最適な治療法が異なります。お口の状態によっては、インビザラインよりもワイヤー矯正や他の方法が最適なこともあります。ご自身の歯並びがインビザラインで治療可能かどうかは、歯科医院で一度相談してみましょう。
まとめ
歯並びが悪いと口元が気になるだけではなく、虫歯や歯周病になりやすかったり、顎の関節に負担がかかることで疲れやすくなったり、頭痛や肩凝りを感じたりすることもあります。不正咬合は、見た目の問題だけでなく健康面への悪影響を及ぼす可能性もあるため、早めに治療することをお勧めします。
矯正治療の一種であるインビザラインは不正咬合にも幅広く対応しており、見た目を気にせずに治療を受けることができる矯正方法です。不正咬合でお悩みの方は、まずは歯科医師に相談のうえ、矯正方法の一つとしてインビザラインも検討してみてください。
記事監修 Dr.鳥居 健二
鳥居おとな・こども歯科クリニック
院長 鳥居 健二